ほん怖

市松人形

押し入れに一体の市松人形が眠っていた。厳重に包まれて桐の箱に大事そうに入っていおりその為あって保存状態はすばらしく良かった。長く黒い髪、白い肌、赤い蝶の刺繍が入った着物。これは高く売れると質屋に持っていった。質屋もその人形をたいそう気に入り...
ほん怖

アワビの密猟

かの奥尻島とも程遠からぬ、ある猟師町。土地柄、「あわびの密猟」が任侠道の人たちのシノギとなっていた。その日の晩も組の者があわびを獲っていたのだが、その最中に例の大地震が起きたのであった。しかし海中にいたためか、彼らは全く気づかなかった。で、...
洒落怖

お迎え

父親の親戚の話。その親戚の人(仮にAさんとしておく)は、農作業中に誤って振り下ろした鍬を自分の足にヒットさせてしまい、足を大怪我してしまった。医療技術も進歩していない昔でおまけに片田舎であったから、Aさんは片足切断の上、死線を2~3日さまよ...
ほん怖

クワガタ採り

昔田舎で,くわがた とか かぶと虫を,採りに行った時と思ってください空が,完全に明け切る前に行くのがベストというわけで朝4時ころの暗いうちから起き出て,友達とつるんで行ったわけ。薄暗い中を枝をかき分けながら,目星をつけていた所をあれこれまわ...
ほん怖

受話器の向こう

バイトの面接を受けようと、フロムエーか何かを見て電話をかけた時の事です。「もしもし…」などと言ったのですが、返答がありません。ただ受話器の向こうから赤ん坊の泣き声が聞こえていていました。しかも受話器の遠い所からです。不思議に思いかけ直してみ...
ほん怖

髪を振り乱した女性

「月はどっちに出ている」のヤンソギルが書いていた話が怖かった。彼はもともとタクシードライバーだったんだけど、そこで聞いた話。同僚が武蔵野のほうを運転中、墓場の近くを走った。いやだなあ、と思ったら髪の毛を振り乱した女性が車に向かって鬼のような...
全話

病魔

怖くないかもしれませんが、取り合えず私が若かりし頃のお話を・・・私がまだ師匠の元で修行をしていた頃の話です。 ある日、師匠の家から私の自宅へ帰る途中街を歩いていると中年の男性が私の前を歩いていました。霊力を持つ私にはその男性の背中に黒いモノ...
東京都の怖い話

田中河内介の最期

大正時代の始め頃、東京の京橋に「画博堂」という書画屋があって、そこの3階には同好の志が集まって持ち寄った怪談話をかわるがわる話し合うということがよく行われていた。 ある日、その画博堂に見なれない男がやってきて、自分にも話をさせてくれと言う。...
北海道の怖い話

高校の寮

北海道Y市の高校に通ってた頃の話です私は親元を離れ、N寮に入っていました入って直ぐ、先輩に「ここは出るよ」と話を聞き以下の説明をされました。ちなみに、その寮は建物は古く、小さな病院みたいな作りでした。(トイレなど水周りはタイル張り、床と壁は...