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タクシ-の運転手から聞いた話。
大阪の千日前付近で客を待っていたら、
前に同僚のタクシ-が止まっていた。
同僚は、誰も乗り降りしていないのに、タクシ-のドアを開け閉めしていて
そのまま走り去っていった。
場所柄、「もしかして。」という気持ちがあったが、
「きっと、間違ってドアの操作をしてしまったんだろう。」と思い、
会社に帰った。そしたら、会社で社員達が騒いでいて
「何事か?」と皆に問うと、さっきの同僚が青い顔をして座っている。
「どうした?何か事故でも起こしたんか?」と声を掛けると
同僚は「ワシ、乗せてもた。」「何をや?」「女の幽霊や。」
「もしかして、千日前でか?」「何や、見てたんか。」
「そうや。お前がドアを開け閉めするの見てたがな。」
「あ~。もう、こりごりや。あそこでは商売できへん。」
別に、シ-トが濡れてたとかは無いらしく
乗せてしばらくしてから、姿が見えない事に気づいて、急いで社に戻ったらしい。
それから、自分も同僚も、千日前では客を拾わなくなったそうだ。
「わしは気持ち悪いんですわ。皆、待っとりますけどなぁ。」
よくある話なんだけど、その時は怖かった。
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