息抜き用泣ける話全話

マザコン先生

息抜き用泣ける話
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俺が小5の頃とても母親想いの新米教師がいて、
月一くらいの頻度で郷里の母親と手紙をやりとりしていた。
しょっちゅう俺たちにマザコンとからかわれながらも、とても幸せそうだった。

ある時、俺含む悪ガキ連中数人が職員室に行くと、その教師の
机の上にその母親からの手紙があったので、俺たちはほんの
軽いイタズラのつもりで手紙を持ってそのままエスケイプした。
そのまま教師をからかって、適当に手紙をリレーしながら校舎を
逃げ回っていたが、何回もリレーをするうちに誰かが手紙を無くしてしまった。
大変なことをした、と真っ青になってみんなで教師に謝りにいくと、
烈火のごとく怒られたが、最後には苦笑して俺たちを許してくれた。

数日後、その先生が学校を休んだ。
母親が居眠り運転のトラックにはねられ、死んでしまったのだそうだ。

先生は「もう中身は読んでたから大丈夫だよ」と言ってくれたが、未開封だったことは
自分たち自身が一番良く知っていた。

「イタズラ」という言葉を聞くと、今でも先生への申し訳なさで死にたくなる。

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