全話

夢の中の川

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これも同じように、小学校高学年くらいの女の子が二段ベッドで寝ていたんです。
それで、夢を見たんですよ。夢の中で、これも同じようにたくさんの人が出てきて、
全部知り合い、それも血縁のね。
で、みんな「助けてくれ」と言って、手を振っているんです。
女の子は助けてあげたいと思うんですが、
自分とみんなの間にはとても深い川があって、
どうにもならないんですよ。
それでも何とかしてあげたい、そう思って女の子は思いっきり手を伸ばして、
だれでもいいから、振り上げている腕をつかんで、
こちら側に引っ張ることはできないかと必死になるんです。
そうやって繰り返していると、ちょうどお父さんの手と自分の伸ばした手がうまい具合に重なり合った。
でも、その瞬間、重なり合った手の感触があまりにリアルで、女の子はびっくりしたんです。

周りのイメージ、夢の中の川だとか手を振るみんなとか、
そういったものと極端に異なった、異様にリアルな感触にあまりも驚いて、
キャッとなって、目を覚ました。
すると、目の前には二段ベッドの天井が見える。
あ、やっぱり夢だったんだ、と安心しながらも、
手にリアルなあの感触残っていることに気づいて、
思わずひょいとその手を引っぱったんです。
すると、何もないところからリアルなお父さんの顔だけが目の前に現れて、
引いた手の動きに合わせて近づいていくる。
それで、びっくりして女の子は気を失ってしまう、とこんな感じの話です。

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