短編

洒落怖

山岳救助隊

父の友人は山岳救助隊?をやってるんだけど、数人で険しい崖を登っていたらしい。色々な話を笑いながらしていたんだけど、メンバーの一人が足を踏み外したんだって。「あっ!」と皆が一斉にその人を見たんだけど、踏み外した人は、手をこちらに伸ばしてまだ笑...
洒落怖

オバサン占い師

忘れもしない2002年10月。会社の帰り。タイムカードでは21時頃だった。俺と同僚は錦糸町駅の高架橋をくぐって歩いていた。高架橋の中にオバサン占い師がいた。目をつぶってて、妙に怪しげな動き?をしていたのを覚えている。無視して通り過ごそうとし...
洒落怖

店に入る直前

仕事が休みだったので食材を買いにいった。妻はカレンダーどおりの休みなので代わりに。屋上駐車場に車を止めて店に入る直前、遠くから名前を呼ぶ声が聞こえた気がした。ちょっと見渡したけど判らなかったので、気のせいかと思いそのまま店内へ。エスカレータ...
洒落怖

隣の娘

うちの祖母は大正生まれ。昔は不思議な事がよくあった、という。祖母が子供の頃、実家の隣家は、ただの鍛冶屋にしては妙に羽振りがよく、何かと因業な性格の一家だったので、悪い事して儲けてると噂があったらしい。田舎特有のねたみもあったんだろうが。その...
ほん怖

雌のカブトムシ

10年程前、窓から雌のカブトムシが入って来た。捕まえようと思ったが、タンスの下に入って取れなくなった覚えがある。しかし今見てみると、そのタンスには下のスペースが無い。それから数ヵ月後。そのタンスの裏側(正確には少し違う)に、大きいカブトムシ...
洒落怖

食器の持ちが悪い

家族で何故か俺だけ食器の持ちが悪い。今の湯呑は五代目、茶碗は三代目(いずれも百均製ではないしっかりしたもの)。他の家族は未だ初代か二代目まででいけてる。割れ方はいつも半分に真っ二つで、落としたとかぶつけたとかじゃない。自分がそそっかしいの分...
洒落怖

電子顕微鏡観察

私はあるメーカーの研究所に勤務しているものです。私の研究所がある棟は、過去に二人の自殺者が出ています。夜遅く帰るときにそのことを思い出すのは、気持ちの良いものではありません。そしてこれから語る短い話は、そんな夜遅くにおきました。私の仕事の一...
ほん怖

ろくでもない人生

子供のころから俺はいじめられっ子。強いやつに逆らえない気の小さい少年だった。18歳になって変わろうと思い家を出て就職した。やがて生活も落ち着いてきて昇格もし、生活が豊かになってきた。「やっぱり嫌な思いをした分、後からいいことが返還されるんだ...
洒落怖

少し遠い公園

その日、私は息子を連れて散歩に出ていた。小春日和の、気持ちの良い昼下がり。ベビーカーに乗った息子は、ニコニコ笑顔。今日は息子の機嫌も良いし、少し遠出してみようかな。。。これが、そもそもの間違いの元だった。ベビーカーを押しながら、息子に色々話...