北海道を友人と二人でドライブしていた。
なんとなくこんな奥まで来る奴いないだろうな、というような湿原の奥まで行って一服してると、遠くから人間の声がする。
こんな所で?と回りを見渡すと、一人の男が、こっちに向かって走って来た。
髪の毛も髭もボサボサで、上半身はだか。
作業ズボンのような汚いズボンのみを身につけている。
「助けて、助けてくれ────!!!」
同乗者が言った。「おい!なんだあれ!ヤバいんじゃないのか!?」
その男は、はだかの上半身から四本の腕をばたばたさせていた。
さらに、男の背後から何人もの集団が追ってくる。
戦闘服のようなものを着た、軍人のような、正体不明の連中。
「逃げよう!」
慌てて車を回すと、アクセルを踏み込んだ。
加速してその場を逃げ去る寸前、車の真後ろで、男が助けを呼びながら追手に取り押さえられていた。
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