洒落怖全話

公園のトイレで目撃した恐怖の真相

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夜中に、公園のトイレに入ったのよ。

その公園は交差点の分離帯のようなところにあって、
まあ、騒がしいところにあったわけよ。

公園のトイレってやだねぇ。特に夜中。
そのときも、バリバリにやな感じがしてたのよ。

トイレの中は、明るく、清潔な感じだったよ。
でもね、それが逆に気持ち悪くなったよ。

小便が終って、ふりかえると、女が自分を見てるのよ。
え、恐くないって? とんでもない。
小便前に見てたら、もらしてたね、実際。

だって、その女、換気用の穴から顔出してたのよ。
直径 5cm くらいの。

トムとジェリー見た事ある?
あれが、実写だったらあんな感じだよ。

小さい穴にむりやり顔つっこんでるから、引きつって
こっち見てわらってるように見えたのよ。
トイレ明るかったから無意味にリアルでさ。

もう、恐くなって、悲鳴あげてチャック開けたまま、そとに
飛び出したよ。

そしたらさ、光が、迫ってきて、自分を包み込んだわけよ。
終ったと思って、かんねんしたら、光のなかに、赤くクルクル
回る光があってさ。たくさんのよく見なれた格好の奴らがいたのよ。

パトカー、警察?

なんと、そのトイレを数台のパトカーと警察が取り囲んでいたのよ。

“おい、大丈夫か?”

気付いた警官が状況を説明してくれたよ。

交差点で帰宅途中のサラリーマンがトラックにはねられて、
公園のトイレの壁に叩き付けられたらしいのよ。

ちょうど、その壁のところに換気用の穴が開いていて、
そのサラリーマンの頭がその穴に押し込まれた形になったのよ。

分かるかなぁ、パスタ製造機の小さな穴から、細い麺がでてくる感じで。

トイレで見たのは、そのサラリーマンだったわけよ。

女じゃなかったのかよ。
っていうか、もっと、恐ろしいことに、救助するって、そのサラリーマンを。

生きてたのかよ!!

トイレのその壁の所を外から眺めると、本当に頭から、壁にめりこんでいた。
漫画みたいに。
酔ってたせいもあって、トイレに入るのきには、反対側にいた
パトカーとかに気付かなかったのね。

すげぇな、車の力積って。

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