ほん怖全話

旭川の眼科

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私が小学生のころ、近視になったので、眼科の病院に通っていた。
昼間なのに建物に囲まれているせいか、とても薄暗い病院だった。


私が診療を終えると、付き添いの母親は、会計を済ませるからロビーで待つようにいった。私は童心の好奇心からか、ただ待つのが嫌になり、つい真っ暗な階段を駆け上がって病院の2階へあがってしまった。

あそこは一体なんだったんだろう。入院棟のようだけど、昼間だというのに病室から廊下までほぼ真っ暗で、ナースステーションなども見当たらない。


私は恐る恐るドアの空いている部屋に入ってしまった。
そこは普通の簡素な入院部屋のようであり、ベッドが二つあり、窓は雨戸か何かで締め切ってあって暗く、青白い光が非常灯から差し込んでいた。


手前のベッドに人が寝ていた。入院患者だと思うけど、こちらを向いてにやりとはにかんだあのカオは、なんと目がなかったのである。


眼部そのものが無いのだ。のっぺらぼうに近い。


私はマジで泣きそうになりながら、1階へと逃げ帰って二度と階段に近づくのもいやになった。
旭川のい○○し病院ってまだあるのかな。

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