徳島県の怖い話じわ怖全話

室戸岬

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3年位前の四国旅行で、
変なヤツを拾ったからその話を。

夜1時くらいに、
車で徳島から室戸岬に至る国道55号を、
きままにひた走っていたんだが
(対向車皆無だし、直線多いから走りやすい)、
自販機でコーヒー飲んでたら、
二十歳前後のライダー風の男が近づいてきて、

「自分は四国を歩いて旅行していて、
疲れたから乗せて欲しい」

って言って来るんだよな。

こんな真っ暗で人気のない国道を、
こんな時間に歩くなんて…根性あるなー!
と思って喜んで車に乗せたんだけど、
車に乗せた時にはっと気付いた。

顔がやばいくらい真っ青だった。

顔に肉がほとんどついてなくて、
目がやけにギョロギョロしていて、
正直あまりいい印象は受けなかった。

車を走らせながら、色々聞いても

「はぁ…」

とか

「うん…」

とか、なんだかはっきりしない返答を繰り返すだけで、
疲れてるのかなーと思って黙っていたら、
思い出したように

「…やっぱ降りるわ」

って言い出した。

「なんで?ここで降りても何にもないよ」

とオレが言うと、
そいつはしばらくしてから

「いや…A(誰かの苗字)…探さなあかんねん」

って言う。

オレ「え?Aって誰?友達?」

そいつ「うん…」

オレ「え、どういう事?二人で旅行してたの?」

そいつ「そう…」

オレ「(早く言えよ(怒))じゃあ、さっきの自販の所にいるんだな」

そいつ「いや、わからへん…、
でもあの辺にはおらへんかった。
でもまだあそこの海の中は調べてへんから…」

オレ「はぁ?とにかく、
そのAってのはいついなくなったんだ?」

そいつ「…ちょっと前…」

オレ「二人歩いてて…いなくなったのか?」

そいつ「いや…、バイク…」

オレ「…お前さっき歩きだって言ったじゃん」

そいつ「・・・・・・・・・」

そのあと俺が何を聞いても
黙りこくるだけだったから、
なんだか気持ちも良くなかったし、
自販機の所まで引き返して降ろした。

そいつはお礼もせず、
重い足取りでまた闇の中へ消えていった。

そのあと車の中でそいつの言動を思い返して、
はじめてその異常さに気がついた。

友達探すって、
海は断崖絶壁でとても夜中に近づけるものでもないし、
歩きって嘘つく意味も分からんし…

ユーレイじゃないとは思うが、
なんだか奇妙な体験だったなあ。

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