TV製作で、
『霊視能力を使って蒸発した父親を探せ』
という番組をつくることになった。
ところが、
有名霊能力者はお金が結構かかるので、
その筋では有名なおばちゃんに依頼。
さっそくスタッフはマイクロバスで、
長野の残された母親、息子、娘の自宅まで行き、
インタビューと残された服などから、
霊視をしてもらうこととなった。
家族の悲しそうな顔、そして訴え、
TV的にはいい絵が取れている。
プロデューサーは、
いいぞいいぞ、
次はおばちゃんの登場だ!
マイクロバスでは、
よくしゃべるふつーのおばちゃんだが、
なぜか残された服をみて、家族をじっとみても、
無言…
無言……
無言………
「ふぅー、疲れたロケバスに戻るか」
スタッフ一同「なんでーーーー」
プロデューサーが、
「何でこうなるんだ。
予算をケチるじゃなくて、
ちゃんとしたTVなれした霊能力者(ぎぼさん)にすればよかったー」
とぼやいていたところ、
そのおばちゃんがプロデューサーに一言。
「家族みんなに、殺されちゃったね」
スタッフ「?」
おばちゃん「わしゃ、殺人者の前では、こんなこと言えんよ。
あの裏山で、土管に埋められておる」
どうも、家族全員で
父親をめった刺しにしてるシーンが浮かんだそうです。
ちなみに、これは実話みたいなのです。
警察も蒸発ではなく、
前々から家族を疑っており、
「このことは言わないように」
ということで、
OAされませんでした。
TVでこのような企画でやる場合、
本物だったらお蔵入りすることがほとんどなので、
やらせ以外はまずOAされないようです。
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