ほん怖全話

ハムスター

この記事は約2分で読めます。

S君は高校の終わり頃からハムスターを飼い始めたんですよ。
きっかけは私の友達のMさんが
誕生日のプレゼントにあげたからなんですけど、
私としては本人の都合も聞かずにいきなり生物(?)を
あげるのもどうかなーって思ったんですが、
S君本人は結構喜んで育ててました。

S君が1匹じゃ可哀相だからともう1匹買ってきたら
まさに鼠算!という感じでワラワラ増えたんですよ。
まぁ人にあげたり、死んじゃったり、逃げたりしたんで
増えたり減ったりを繰り返してましたが、
だいたい常時5~6匹いたと思います。
全部同じ1つの小屋で飼っており、
小屋にはちぎったティッシュをたくさん敷き詰めてました。
お昼頃に遊びに行った時、盛りあがったティッシュを掻き分けると
皆1ヶ所に固まって寝てて、その姿が可愛かったのを思い出します。
(ハムスターは夜行性)

そんなある日の事です。
ふと小屋の中をのぞくと元気に動きまくっている
ハムスターの数が1匹足りません。
「どいつがいないんだ?」と思ったS君は1匹1匹確認すると
一番動きがトロくさいハムスターがいないようです。
「まだ寝てるのか?」と思いましたが、
普通寝ているのならティッシュの盛りあがりが出来るのですが
その盛りあがりも無いようです。
「逃げたか!?」と思ったS君は、
部屋の中を探しまわりますが、それらしき姿は見当たりません。

「どこだー?」と思いながら、もう一度小屋の中を覗いてみました。
するとよーく見るとわずかにティッシュが
盛りあがっている部分があります。
「ここか?」と思い小屋に手を入れ、その盛りあがりを掻き分けてみると
そこには探していたハムスターの死骸があったのですが、
それを見たS君は思わず「うわっ!」と声をあげてしまいました。
その死骸は普通の死骸とはかなり異なっており
お腹がさけてて内臓や血は一滴もなく、
骨と皮だけという無残な姿だったのです…。

共食いしたのかもしれませんが、
それにしてはどのハムスターにも血の一滴もついてはおらず
しかもそのハムスターの周りのティッシュにも、
ほとんどわずかな血の跡のようなものしか見つからなかったそうです。
その後、暫らくは同じ状態でハムスターを飼いつづけていましたが
このハムスターの死骸と同じ死に方をしたのはありませんでした。
当時はイギリスか何処かの牛がやはり血や内臓がなくなり
骨と皮だけになっていたという事件、
キャトルミューツレーション(でしたっけ?)の話題で
盛り上げっていた頃なので、
私達は「S君の代わりにハムスターが宇宙人の犠牲になったんだ。」と
よく話したものです。(しみじみ…)

ちなみに前にも書いたけど、ここに書いたS君の体験談は
すべて同じ場所での事で、今も彼はそこに住んでます。

コメント