全話

洒落怖

店に入る直前

仕事が休みだったので食材を買いにいった。妻はカレンダーどおりの休みなので代わりに。屋上駐車場に車を止めて店に入る直前、遠くから名前を呼ぶ声が聞こえた気がした。ちょっと見渡したけど判らなかったので、気のせいかと思いそのまま店内へ。エスカレータ...
洒落怖

隣の娘

うちの祖母は大正生まれ。昔は不思議な事がよくあった、という。祖母が子供の頃、実家の隣家は、ただの鍛冶屋にしては妙に羽振りがよく、何かと因業な性格の一家だったので、悪い事して儲けてると噂があったらしい。田舎特有のねたみもあったんだろうが。その...
洒落怖

首に絞められたような痕

目覚めたら夜三時くらいで、空腹だったので近くのコンビニへ。店内うろうろしてたら、店員が裏から飛び出してきて、俺の手を掴んだ。すっごい必死で、「警察呼びますから!」とか言いながら、レジ裏へ。もう一人の店員も、なんかスプレー持ってた。事情がわか...
洒落怖

何かに憑かれた?

高校生の頃、親戚の家族と旅行した時の話。叔父さんに酒を飲まされて倒れた俺は、大学生の従兄弟の姉さんに看病されていました。ぐっすり寝ていたはずの俺が夜中に急に起き、周りを見まわしたと思ったら、隣にいた姉さんの胸を触ったそうです。姉さんはビック...
ほん怖

雌のカブトムシ

10年程前、窓から雌のカブトムシが入って来た。捕まえようと思ったが、タンスの下に入って取れなくなった覚えがある。しかし今見てみると、そのタンスには下のスペースが無い。それから数ヵ月後。そのタンスの裏側(正確には少し違う)に、大きいカブトムシ...
洒落怖

食器の持ちが悪い

家族で何故か俺だけ食器の持ちが悪い。今の湯呑は五代目、茶碗は三代目(いずれも百均製ではないしっかりしたもの)。他の家族は未だ初代か二代目まででいけてる。割れ方はいつも半分に真っ二つで、落としたとかぶつけたとかじゃない。自分がそそっかしいの分...
洒落怖

電子顕微鏡観察

私はあるメーカーの研究所に勤務しているものです。私の研究所がある棟は、過去に二人の自殺者が出ています。夜遅く帰るときにそのことを思い出すのは、気持ちの良いものではありません。そしてこれから語る短い話は、そんな夜遅くにおきました。私の仕事の一...
ほん怖

ろくでもない人生

子供のころから俺はいじめられっ子。強いやつに逆らえない気の小さい少年だった。18歳になって変わろうと思い家を出て就職した。やがて生活も落ち着いてきて昇格もし、生活が豊かになってきた。「やっぱり嫌な思いをした分、後からいいことが返還されるんだ...
東京都の怖い話

遊ぼうおじさん

これはある本のモデルにもなってる、僕が本当に体験した話です。私の住んでる東京のある地域で10年程前に、『遊ぼうおじさん』という正体不明な人がいました。私はその頃小学生でした。その人は紙袋に左右不対称な目を書いて頭に被っていました。ちょうど首...