全話

ほん怖

小さな捨て犬

俺は大学には実家から徒歩で通っているんだが、あるひどい雨の日、油断した好きに傘を盗まれた。 困っていたら同じ学部生の女の子が声をかけてくれた。 名前がとある花と同じだったから、仮に百合子としとく。 百合子は常時折り畳み傘を持っているので、それを貸してくれるという。
じわ怖

露店のネックレス

今の彼女と付き合い始めたばかりの頃の話。 とある駅前で彼女と待ち合わせをしていたのだが、その日は時間より早く着いてしまった。 近くに喫煙所があったのでそこで煙草を吸っていると、すぐ近くで黒人男性が露店の準備をし始めた。 並べているのは、カラフルなビーズで作られたネックレスやブレスレット。 どれも鮮やかな原色が多用されており、大ぶりなビーズが多く使われた派手なものばかりだ。 退屈なので横目で品物を見ていると、その黒人が視線に気付いて声をかけてきた。
じわ怖

アーちゃん

僕の町内には「アーちゃん」という人が住んでいた。 アーちゃんは年中、肌色の肌着と肌色のモモヒキを身に付け、パンクしてホイールの歪んだ自転車で町を走り回る、人畜無害の怪人だ。 年齢は僕が小学生のときで6、70歳くらい、試合後のボクサーみたいな顔をしている。 いつも酔っ払っているみたいな動きと口調。
福岡県の怖い話

夏祭りにいた男の子

大学生のときの話。 当時俺は福岡に住んでて、 ある夏の日に友達居なかったから一人で夏祭りに行った。
熊本県の怖い話

漁師さんの迷信

海が近いせいか、漁師さんの迷信みたいな話を近所でよく聞かされた。 『入り盆、送り盆には漁をしてはいけない』とか、『海川に入ってはいけない』とか。
洒落怖

倉庫会社の休憩室

3年ほど前の事です。 当時、私は倉庫会社の配送担当をしていました。その日は、仕事が終わってから仲間と一緒に飲みに行き、その後2軒3軒と飲み歩くうちに、気が付くと終電は無くなっていました。 翌日は早朝から積み込みと配送があったので、私は会社に泊まることにしました。倉庫の横にある事務所の2階に休憩室があり、早番や遅番のドライバーは、そこで仮眠を取ることが良くありました。
京都の怖い話

牛ヶ首

N県S村に牛ヶ首という場所があります。 私の祖母がその近郷出身です。小学生の頃に、その祖母から聞いた、牛ヶ首近辺であった昔々の話です。
じわ怖

ママもやってたもん

結婚、家庭を巡って、 何年にも渡って恐ろしい目に遭った。 先日やっと心が落ち着き、 誰かに聞いてほしくてこの話を投稿する次第だ。 長文になることを許してほしい。 元妻と結婚したのが10年ほど前。 私の会社でバイトとして入ってきたのが出会いだった。 同棲を経て結婚に至ったのだが、 元妻は家族とは仲が悪かった。 お互いの家族には散々反対されたが、 私たちはそれを押し切って結婚した。 まもなく子供が生まれた。
長崎県の怖い話

落書き

十数年前だけど 地元に地下道っていうか 線路の直下をくぐる道があったんよ 荒れ放題で落書きだらけだったんだけど その落書きの中で十数メートルに渡って 「こ こ で ひ と が こ ろ さ れ ま し た」 って長々と一文字ずつ書いてある落書きがあったんよ