短編

ほん怖

昔、若くして亡くなった知人のアダ名が「鷹」とか「猛禽」だった。我慢強くて、末期癌に一言も弱音を吐かない人だった。その人の葬儀の最中、ずっと一羽、大鷹が屋根に留まっていた。出棺後、スーッと見送る私らの前を大鷹が低空飛行して、奥にある林へ消えて...
ほん怖

なんだったんだろう

こないだ、裏のおじいちゃんと山に登って、山芋堀りをしていた。私がスコップで地面を掘り返していると、透明なぶよぶよした物が現れました。おじいちゃんに言うと、「いかん、山の神様だ。もう今日は帰るぞ」と言って、それを急いで埋めて山を下りました。後...
洒落怖

食器

家族で何故か俺だけ食器の持ちが悪い。今の湯呑は五代目、茶碗は三代目(いずれも百均製ではないしっかりしたもの)。他の家族は未だ初代か二代目まででいけてる。割れ方はいつも半分に真っ二つで、落としたとかぶつけたとかじゃない。自分がそそっかしいの分...
北海道の怖い話

人身事故

俺北海道生まれの北海道育ちなんだけど、札幌の地下鉄は結構人身事故が多くてよく地下鉄が止まるんだけど、その時電気を落とすんだ。なぜそうなったかって話。昔地下鉄で人身事故があった時、衝撃で体がぐっちゃになって首だけがホームに飛んで来たんだ。そこ...
東京都の怖い話

年賀状

こともあろうに、、友人のお婆ちゃんが、今年正月の元旦に死んでしまったそうです。近くの葬式屋の営業開始日は4日。人手がないので仕方ない。その日まで待つことになったそう(真冬だから…大丈夫といわれて)。それで、松の内も開けた1月7~8日頃。友人...
洒落怖

峠はこえました

それはある蒸し暑い夏の日のことでした。なぜか体の節々が痛む。「あの程度のドライブで疲れがたまるとはなぁ。俺も歳かな」などと、思いながら遅い朝食をとろうとダイニングに足を向けたその時、今度は頭も痛くなってきた。ガンガン響く。これでは食事どころ...
洒落怖

かしの木

友人から聞いた話です。その頃の友人は悩み事があって真剣に自殺を考えていたそうです。結論として首吊り自殺を選んだ友人はロープを持って寂れた神社に行きました。神社の裏の大きなクスノ木にロープをかけ準備を終えると煙草を出して吸い始めたそうです・・...
じわ怖

髪の毛が入ってた

何年か前、学生の時、短期の仕分けのバイトで知り合った人の話。その人は、結婚3年目ぐらいの主婦でまだ子どもがいなくて、あまり体が丈夫ではなく、体調のいい時にこうしたバイトをしていたそうだ。で、旦那さんの実家が、遠方にあってお正月と盆には泊りが...
ほん怖

会社の先輩の実体験

会社の先輩(女性)の、学生のころの実体験。学校から帰ってみると、家にだれもいなかった。先輩はとくに気にすることもなく、父親の3畳ほどの広さの書斎にある電話で友達とおしゃべりをはじめたが、その途中で、電話相手の友達が『なにか音しない?』と言っ...