私がまだ小学1年生の頃の話。
同じクラスに、給食のパンが嫌いで食べずに机の中に隠す男の子(O君とします)
がいました。
そしてそれを1ヶ月くらい経ってもそのままにしておくものだから、机の中の
パンがカビて異臭を放つまでになってました。
それをO君に言っても一向に片づけようとしないので、その匂いにガマンでき
なくなった私を含めたクラスの子6人(男女3人ずつ)で、O君の机の中のパ
ンを引き出しごと先生の所に持って行って見てもらい、O君を注意してもらお
う、という事になりました。
行動に移したのは土曜日のお昼だったと思います。皆下校して、一旦家に帰っ
てからもう一度学校に集まり、誰もいなくなった教室に6人で入りました。
そしてO君の机を囲み、引き出しを開けました。引き出しを開けたのは私でし
た。そして、思った以上にカオスな状態のパンを見て、皆
「うわ~何これ」
「きたな~」
などと口々に言っていたその時です。
何かが飛んできて、私の左目の真下に思いっきり突き刺さりました。
突然激しい痛みが走ります。
何が起こったかわからず、左目を押さえて唸り声を上げる私。
カラーン、と何か床に落ちる音がしました。
「どうしたの?!」と皆が言うので、「何か刺さった~!」と泣きながら言うと、
一人の男の子が「これやな?」と、何かを拾って差し出しました。
それは、O君の絵の具筆でした。
絵の具筆の柄の部分が、私の左目をめがけて飛んできたのです。
「なんで・・・?」皆、言いました。
普通、絵の具筆は絵の具セットにしまってあり、セット自体は机の横に引っ掛ける
か、教室の後ろのロッカーにしまう事になってましたので、筆だけが外に出ている
事はまずないのです。お昼前に教室掃除をしたすぐ後ですから、尚更です。
一緒に行った誰かがやったという事もなさそうです。皆手ぶらでしたし、机を囲む
形で体を寄せてましたので、そんな素振りがあれば隣の子が気付いたでしょうから。
気味が悪くなり、O君の机から離れました。そして、皆同じ事を考えてました。
というのも、このO君の1つ上のお兄さんが2ヶ月ほど前に亡くなっていたのです。
弟をいじめるな、と、一番に引き出しを開けた私に罰を与えたのかもしれません。
もちろん真相はわかりませんけど・・・。
この事があって、先生に言いつける気などなくなった私たちは引き出しを元に戻し
そのまま帰りました。
私の左目はしばらくの間、下の方が赤く腫れていました。
もしこれが目に刺さっていたら・・・と、今でも時々思い出し、ゾッとする事があ
ります。
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