ほん怖オススメ全話

法医学の本にあった話

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法医学の本でみつけた話。


戦後しばらくのころ、男に捨てられた小唄の師匠が真冬に鉄道自殺した。


ところが、首から上がスパッと切れて胴は現場に残っていたが、頭の部分がどうしてもみつからなかった。


その日は捜索はうち切られた。


翌朝、凍り付いた川面の下に、生首が沈んでいて氷ごしに顔が透けてみえたそうだ。


それが、ぞっとするほどの美形だったと遺体を検分した法医学の先生が書いていた。


ホトケは評判の美人だったから、顔は傷つけたくなかったのかもしれん。


妄執だね。

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