ほん怖全話

まだ会ってない

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4年ほど前でした。

祖母が危篤との知らせを受けて、親戚が集まりました。


田舎の小さな病院なので、大人数いても居場所に困るため、祖父と伯母を病院に残して祖父母の家に待機することになりました。

家に着いたらもう真夜中でした。
父は、飼っている犬が放って置かれてかわいそうだからと田んぼ道を散歩に連れて行きました。
と、10分もしないうちに真っ青になって戻ってきて、布団にもぐりこんでしまったのです。


翌朝、私と妹は6時に叩き起こされ、曽祖父(祖母の父)の墓(田んぼ道から山に入ったところに1基だけ建てられている)に連れて行かれ、お参りをさせられました。


家に帰ってから理由を教えてもらいました。


前の夜、散歩に行ったときに、曽祖父の墓の入り口のところで犬が突然お座りをしたまま動かなくなり、綱をひっぱったところ

「わしはお前の子供に会っていない」


という曽祖父の声が聞こえたんだそうです。


父は小さい頃曽祖父に育てられたので、声を覚えていたそうです。


確かに私たちは、そのお墓にお参りしたことがありませんでした。

その日から祖母は奇跡的に持ち直し、今でも健在です。

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