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不幸の三叉路

じわ怖
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まだ実家に住んでいたころ、近所で起きた話。

元々道路のない場所に、バイパス道路をとおした。

そのとたん、国道との三叉路の周囲の家で、まだ死ぬようなトシじゃない女性が一軒ずつ亡くなっていくのね。

最初は配達途中の新聞販売店の奥さんが、その三叉路で交通事故で亡くなった。

その後一年のうちに、西側の家の若いお嫁さんが、胃潰瘍で大出血して亡くなり、その裏の家の娘さんが自殺。

三叉路の東側の家では、高校生の娘さんが帰宅途中にひき逃げされて、意識不明の重態のまま三ヶ月後に死亡。

ほかにも町内でやたらと葬式の多い年で、月に二回も三回も葬儀があると、さすがに町の人も「次はどの家か」と戦々恐々としはじめて、とうとう御祓いをやりました。

大般若経を読みながら、大きい長い数珠をまわすやつね。

あれやったら、ピタッと死人が止まった。

うちも病人抱えていたから、かなり怖かった。

実は新しくできた道路って、有名な霊場に続いてるんだよ。

墓場の横を通って。

道のないとこに道ができたから、なにかが山から降りてきたのかもしれん。

おれ、そう思ってる。

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