じわ怖全話

未完成の話

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最近起こった、個人的にすごく怖かった話を書きます。
うまく説明できそうにないのですが、できるだけ頑張ります。

事の発端は、去年の夏でした。
親しい友人から電話があって、「日本に帰ってきたから会おう」と言うので、彼のアパートに出かけてゆきました。
彼は旅行と写真が大好きで、大学が休みになる度に、世界中の色んな国を一人で放浪するのが趣味でした。
ちなみに彼は写真の腕もセミプロ級で、色んな雑誌に載ったり賞を貰ったりしていました。
僕は彼のアパートへ行き、そこでお土産をもらったり旅行中に撮った写真を見せてもらったり、土産話を聞いたりしていました。


その時の彼の日程は、アジアからヨーロッパに入った後アメリカを東から西へ横断するという電波少年の企画のように過酷なものでしたが、英語が得意で旅慣れている彼にとっては非常に楽しい旅だったらしく、僕は飽きずにその話を聞いていました。


すると彼が、「お前は興味ないだろうけれど」と言って、一台の古いカメラを取り出しました。

僕にはただの汚いカメラにしか見えませんでしたが、彼の説明によればそれはライカというメーカー、普通に買えば何十万もするカメラだということでした。


「アメリカの中古屋で偶然に見つけたんだ、50ドルというのを30ドルに負けさせて買った」
と彼は言いました。30ドルなら日本円で4千円くらいか、いくらなんでも安すぎるなあと僕は思い、「それ本物?バッタ物じゃあないの?」と彼に尋ねると、「イヤ、本物だよ。しかもアンティーク。日本で買ったら百万近くするよ。ちょっと修理が必要だけど、いい買い物したよ」


と、自慢げにそのカメラを部屋に飾っていました。
それから少しして、修理に出したそのカメラが戻って来たのでテスト撮影をしようと彼から誘いがありました。
「実はS子(当時僕が好きだった子)にモデルを頼んだんだよ、撮影が終わったら、お前S子のこと誘って飲みにでも行けよ」その頃僕はS子に告白できずにいたので、見かねた友人がテスト撮影を口実に僕らの間をセッティングしてくれたのでした。


撮影の当日彼の部屋へ行くと、先日のあのカメラが、机の上に置いてありました。彼は「修理費2万もしたよ、カメラよりも高かった」と笑っていました。


僕はそのカメラを手にとって見たのですが、その時、うまく説明できないのだけれど、何となく嫌な感じがしたのを覚えています。

その嫌な感じというのは、日本酒を飲み過ぎた時に、身体の中が冷えるようなあの感じ、とでも言えばいいでしょうか。
とにかくすごく変な感じだったんです。
でも、僕はS子を今日こそ誘うんだと頭が一杯だったので、それほど深く考えずに、撮影場所の公園へ彼とバイクを二人乗りしていきました。
少しすると、S子がやって来ました。彼女はノースリーブのワンピースを着ていて、それだけで僕は一人で興奮していたのですが、友人はお構いなしに撮影を進めていきました。


撮影が終わり、じゃあ飲みにでも行こうということになって、近くの居酒屋へ行き、途中で友人がさりげなく抜けてくれたおかげで、僕と彼女は何となく良い雰囲気になりました。


その日は何もありませんでしたが、僕とS子はその後に付き合い始めることになります。
しかし、事件はこのすぐ後に起こります。
友人が、この間の写真を現像したんだけど、少しおかしい、
と電話をかけてきたのです。

396 名前:383[] 投稿日:2001/06/06(水) 09:03
すみません、いますごく気分が落ち込んでいます。
最後まで書かないうちにネタバレになっちゃうのですが、そのカメラ好きの友人が今入院していて、昨日から様態が少し悪化して、昨夜は一晩病院で付き添った後、さっき家に戻ってきました。
ふざけて掲示板に書いている様な状態じゃないので、中途半端で申し訳ないですが、中断させていただきます。
ごめんなさい。

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