富山県の怖い話洒落怖全話

村の葬式

この記事は約1分で読めます。

バイクでツーリングしていたとき、富山県のかなり田舎の山道を通った。

昼過ぎだったと思うが、山中の小さな村で葬式が行われているところに出くわした。出棺の最中のようだったが、霊柩車で運ぶのではなく大勢の村民で棺桶をみこしの様に掲げての出棺だった。

どうやら村中の家を回ってから火葬場に行くらしく、いろんな家に立ち寄っていた。道が限られており、私はその行列の真横を通り過ぎねばならない状態になった。

見慣れぬ来訪者の私に村民は珍しげな表情を送っていたが、仕方なく通り過ぎた。その日はとある旅館に泊まり、次の日帰宅する予定だったので朝早く旅館を出てもと来た道を走っていたが、あの村をまた通ることになった。

まだ朝早かったので、薄暗い中あの行列がいた道を通ろうとしたが薄明るい中道端にあの棺桶が放置されていた。ぎょっとしたがさらに驚いたのは棺桶の横に死に装束のおばあちゃんが立っていた。

そしてそのおばあちゃんは、全速力で通り過ぎようとした私に一言「まだあんたには挨拶してなかったね」

コメント