全話

じわ怖

亡くなった奥さん

タクシー運転手の奥さんが、まだ五才になったばかりの子を 残して亡くなった。 父親は仕事ででかけている時間が長く、そのあいだ隣の家に子どもを 預けていたのだけれど、深夜になっても帰ってこないのものだから、 親切で面倒をみていた隣人もさすがにしびれを切らして、子どもを
じわ怖

校長先生の持ち家

友達の中学教師。新任できた田舎の中学の周辺、これというアパートが ないので、校長先生の持ち家を貸してもらうことになった。 小さな一戸建てなんすけど、昼間でも薄暗い。 窓の外が切り通しの崖になってて、日影なんだね。 最初は、友人も窓をあけてたんだけど、だれかにみられている気がして、 カーテンを閉めきりにするようになった。 夜寝ると、窓に顔がびっしり並んでる夢ばかりみて、おかしいと思いだしたら、 両親が様子をみにきた。 「昼からカーテンしめちゃダメでしょ」とパーッとカーテンをあけ、 外が草ぼうぼうだから、ちょっとむしってくるといって、軍手はめて でかけていったものの、十分もたたないうちに青い顔で戻ってきて、 引っ越しをすすめる。 造成される前、どうも墓山があったらしく、墓石の類がまだ草の中に、 ゴロゴロしてたんだってね。 あわてて引っ越したそうだ。 今彼女、町中のお寺さんの横にあるマンションにすんでる。 日当たりはいいし、見通しはきくしで、快適だそうだ。幽霊の気配もゼロ。 墓場だからとでるとは限らないのだね。
ほん怖

ネットの親友

ちなみに、マジ体験 結構前に「染んだHPの管理人からメールが来た」とかいう噂があったけど、それに似てるかな・・・ ネット上だけの知り合いだけど、すっごい仲が良くて、親友って呼べる奴がいたのね んで、テレホの時間中バカ話したり、マジで悩んでる時なんかは相談に乗りあったり そんな時、そいつが全然Qにも上がらなくなって、メールを出しても返事は来ない、いつも来てるチャットにも来ない、って状態になったわけ で、音信不通になって一ヶ月くらいして、いつものようにネットに繋いだら、Qにメッセージが一言だけ「ありがとう」って入ってたの それでもこっちからは全然連絡取れなくて、「こりゃいくらなんでも変だ」って思ったんで、 夏休みには実際会おう、って話してて住所は聞いてたから、連休を利用してそいつの家まで行ってみたの(同じ九州でそんなに遠くなかったからね) なんかありがちだけど、この先の展開は「○○はこの間事故で死にました」と そいつの親から聞いたんだけど、そいつ、ネット上では明るくて友達も多いぜ~、とか言ってたけど、実際はいわゆるヒッキーで登校拒否だったらしい で、「せめてもうちょっと明るくなれば」ってことでパソコンを買ってやって、そして俺と知り合ったんだけど 「今までずっと暗かったけど、あなた(俺ね)と知り合ってから少しずつ元気になってきて・・・」って泣きながら言われて 今まで閉じこもってたのに出歩きはじめたのも、「夏休みには○○(俺ね)と会うんだから、家に閉じこもってばかりはいられない」とか言って外にも出始めたらしい Qのメッセージの事を言ったんだけど、話を聞いてると、結局その母親がメッセージを送ってた、ってことがわかったんだけど(笑 でも、この時は幼稚園以来のマジ泣きだったな~
じわ怖

不幸の三叉路

まだ実家に住んでいたころ近所で起きた話。 元々道路のない場所に、バイパス道路をとおした。 そのとたん、国道との三叉路の周囲の家で、まだ死ぬようなトシ じゃない女性が一軒ずつ亡くなっていくのね。 最初は配達途中の新聞販売店の奥さんが、その三叉路で交通事故で 亡くなった。(信号はある) その後一年のうちに、西側の家の若いお嫁さんが、胃潰瘍で大出血 して亡くなり、その裏の家の娘さんが自殺。 三叉路の東側の家では、高校生の娘さんが、
ほん怖

上の階のおじいさん

先月、生き霊みたばっかりです。ハハハ。 上の階のおじーさんが亡くなる三日前、たまたまマンションの前にいたんで、 挨拶したんだけど、返事なくて。妙に全身灰色っぽいし、なんか霞んでる 感じなの。 挨拶したのに無視されたあと思ってたら、そんとき、この方、入院中だった んだって。 生き霊みたとわかっても別に怖くはなかったんだけど、葬式にでた数日後、 仕事で遅くなって深夜帰り、マンションの玄関を通ったときに、 「そういやココに立ってたなあ」と思いだした瞬間、鳥肌が立ちました。
洒落怖

孫娘

若い男が旅をしていました。その日は日が暮れるまでに宿のある町まで到着するつもりでしたが男は道を間違えて淋しい山奥に入りこんでしまいました。男は仕方なく野宿を覚悟しました。そんな男の前に農作業の帰りらしい老婆が現れ声をかけてきました。「良かっ...
じわ怖

壁の中

不動産屋で働く友人から聞いた話。 その友人が担当するマンションの空室に 一部屋だけ他と雰囲気の違う部屋があった。 その部屋に入ると、いつもなにか違和感を感じていたのだが、 ある日その部屋の廊下が、他の部屋より1m位短いことに気づいた。 他の部屋よりも短い廊下が、いつもこの部屋で感じる違和感の原因なのかと 友人は思ったそうだ。 しかし、なぜ短いのだろうと思い、廊下の突き当たりの壁を叩いてみると
じわ怖

タバコ屋の婆さん

20年くらい前の話。朝、タバコ屋の前を通ったらおばあさんがじっと座っていた。夜、前を通り過ぎるとやっぱりおばあさんが座っていた。次の日通夜だった。おばあさんのだった。
ほん怖

社員さんの部屋

僕が体験したことなのですが、後述するように自分では関知できなかったのです。 今から12年くらい前、バイトしていた会社の社員さんが「一緒に飲みに行こうよ」 と飲み屋さんに連れていってくれたんです。深夜まで飲んだので、その人が「今夜は うちに泊まっていけよ」と言ってくれて、その人のアパート(すぐ近く)まで歩いて 行ったのです。6畳3畳くらいの1DKで、部屋にベッドがあり、その社員さんが ベッドに、僕はすぐ脇の畳にふとんをひいてもらって寝ることになりました。 だいぶ酒を飲んでいたので僕はすぐに熟睡し、翌朝、窓からの日と小鳥の声で目を 覚ましました。すぐわきのベッドで寝ている社員さんに「お早うございます」と言う と、彼は「ゆうべ、寝られた?」と心配げな顔で聞くのです。「ええ、ぐっすり」と 答えると、「本当に? 本当に寝られた?」と真顔で聞いてくる。どうしたのかと 思ったら、「ゆうべ、一晩中、きみの回りを歩き回ってたやつがいたけど、気づか なかった?」というのです。「いやあ、ぜんぜん」。