カビパンっていえば
私が小学校(3年生)の時にもゾッとする話があった。
そいつ(W君)はやはり、頻繁に学校を休むような暗い奴で
友達もおらず、ほとんど誰とも口をきいたりするような子じゃなかった。
そして給食のパンをいつも机の中にため込んでいたが、生徒はみんな知っていたが先生は知らなかった。
冬休み前の大掃除があって、先生がついにW君の机の中のパン見つけて誰か片付けろ
っていうんだけど、本人はいつものように欠席していたので、仕方がないから
みんなで詰め込まれた机の中のパンを引きずり出して行った。
すると途中からかなりの悪臭がし始めて、みんなでギャーギャー言いながらも奥のほうに詰まってコチコチ
になったパンを出して行ったら、固いパンに付着している何か人間の指先くらいの大きさのものがポトリと床に落ちた。
最初はそれが何だったかわからなかったけど、よく見ると正体がわかった。
その瞬間は、みんな叫び出すことも出来ないくらい恐ろしくなり、しばらくシーンとしてしまった。
なんとそれは、以前教室で飼っていたハムスターの生まれたばかりの赤ちゃんの死体だった。
私はそのハムスターの赤ちゃんが生まれた頃、一晩で数匹いたのが消えてしまい騒ぎになったことを思い出した。
その時は結局「逃げてしまったんだ」なんてありえない結論が出て終わってしまっていたのだ。
よく見ると机の奥のほうには、パンにまぎれて数個の肉片となったハムスターの赤ちゃんが、突っ込まれていた。
このときは本気で吐きそうになった。
さらに恐かったのは冬休み開けに登校してきたW君が机の中のパンとハムスターの赤ちゃんが
消えたのを知り、普段のおとなしい姿からは想像も出来ないくらいに、火のついたように泣きわめいて
手がつけられない状態になったことだ。
カビパン
この記事は約2分で読めます。
コメント