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棺の主

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戦中、ある帝国大学の考古学研究室には、
ヤマトに逆らい滅ぼされた古代人の棺が展示されていた。

戦況が悪化すると、
この帝国大学からも多くの学生が出陣することになった。

明日に出陣となったこの研究室の学生たちが、
最期の別れを惜しんでこの研究室に泊まりこんだ。

すると、
この棺の主であるという古代人が夢枕に立って、
こう言った。

「俺はこうして死後千数百年も屍を晒しているが、
お前たちの屍は今後誰にも晒されることはないだろう」

その後、この研究室から出征した学生たちは、
南方洋上で帰らぬ人になったという。

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