長編

大阪の怖い話

新聞奨学生

1980年の4月。大学という大学を落ち、オレは予備校生の身となった。「浪人」という名の何者でもない19歳の男に、親はもう一度無駄な期待と金を使い、さして意味の無い「新生活」が始まった。3月の半ば、念仏のように「やればできる」と繰り返す母親に...
洒落怖

八尺様

親父の実家は自宅から車で二時間弱くらいのところにある。農家なんだけど、何かそういった雰囲気が好きで、高校になってバイクに乗るようになると、夏休みとか冬休みなんかにはよく一人で遊びに行ってた。じいちゃんとばあちゃんも「よく来てくれた」と喜んで...
洒落怖

長い髪の女

長い髪の女母と娘が旅行に行った。娘はもうすぐ嫁ぐ身、最後の母子水入らず。ありきたりの温泉宿で、特徴は海に面している・・・それだけ。部屋に通されるとやる事がない。駅から続く温泉街の土産物屋はだいたい覗いて来たし、夕食までにはまだ時間があった。...
ほん怖

旧・弥彦山気象観測所

仲間が免許を取ったと言うことで、地元だと結構有名な心霊スポットの旧・弥彦山気象観測所に行ってみることにした。先輩の話によると、施設自体は2階のそこそこ大きな建物で、1階の一部が土砂崩れかなんかで埋まっており、外装は白なのに内部は真っ黒になっ...
洒落怖

スタジオ

5~6年前の初夏の頃の事です。駆け出しのアレンジャーがいました。仮に名前をAとします。Aはその日、都内の某スタジオでレコーディングをしていました。そのスタジオは1階がロビー、受付、守衛室、駐車場。2階はA~Cスタジオという風に3つのブースに...
洒落怖

怪談テープ

稲川淳二が怪談話を始めて、人気が出だした頃の事。当時のバイト先の仲の良かった早番の女の子が、「怖い話好きだよね。コレ知ってる?」と、カセットテープを差し出した。「稲川淳二のやつだよ。ファミレスに売ってたんだ。彼氏と車で河原に行って、真っ暗に...
息抜き用泣ける話

今日よ 俺の養父におとんって言ってやったんだよwww

今日よ俺の養父におとんって言ってやったんだよwwwそしたら養父がいきなり泣き出しやがったのwwwそしたらどうよ?俺もなんか突然泣き出しやがんのwww真冬の縁側で男二人が会話もなく鼻水だらだら流しながら泣いてんのwww俺ね小学校4年生の時にね...
じわ怖

舞姫

7年くらい前にタクシーの運転手さんに聞いた話です。当時、六本木にある会社に勤めていましたが、けっこう夜遅くなることが多かったんですね。まあ、仕事半分遊び半分ってところです。で、当然終電はなく、タクシーで帰ることになります。私はそのとき横浜市...
じわ怖

二人の少女

幽霊ではなく人間でしたが、年月が経つにつれ自信がなくなっていく思い出です。俺が19歳の頃の話です。高校は卒業していましたが、これといって定職にもつかず、気が向いたら日雇いのバイトなどをしてブラブラしていました。その頃の遊び仲間は高校の時の友...