中編

洒落怖

重い病気の子供

ある晩の9時前、とある病院でスミスという医者が電話に出た。 「こちらはグリーンヒル病院のジャクソンです。今この病院に重い病気の子供がいます。彼は手術をする必要があります。 しかしこちらには今外科医がいません。お願いです。こちらに来てくれませんか?」と、電話口の医者は言った。
洒落怖

錆びたナイフ

オギノという背が低く、風俗の呼び込みや使い走りをやっている人がいた。 彼は住み込みではたらいていて、頭が悪いのか給料もあまりはらってもらえないでいた。 あるとき、お店のお金を数千円使ってしまったか何かして、店にバレた。
洒落怖

はじめてのかていか

7がつ5にち  きょう、はじめてかていかをならった。ケンちゃんは「かていかはおんなのかもく!」といってせんせいにおこられた。  せんせいは「いまはだんしもさいほうやおりょうりができないといけないじだい」といった。  はじめてのじゅぎょうはおりょうりだった。1ぱんはごはんをたいた。2はんはおみそしるをつくった。3ぱんはカレーをつくった。ぼくは3ぱんです。
ほん怖

UFOが呼べる

ある大学のコンパの席上でUFOの話題が出たときに一人の男が「自分はUFOを呼べる」といいだした、「うっそで~」と声が挙がると何人かが「ホントだよ」「この前見せてもらったもの」との事、面白いから呼んでもらおうと言う話になり後日、夜中に海岸に集...
じわ怖

幽霊が出る廃工場

あるフリーライターが、「幽霊が出る」という噂のある廃工場で泊まり込みの取材を したときのこと。 現場に着くと夜になっていて、「いかにも」という雰囲気の工場なのだが、門には初老 の夜警さんがいた。廃工場なのに夜警がいる・・・これは本当に何かあるな、と思った
洒落怖

てすと

4年ほど前、売れない漫画家をしていたときに、某マイナー系の雑誌で そこそこに人気のあった漫画家さんのところに3日間という約束で アシスタントをしに行ったときの話です。引っ越したばかりの狭いながらも 新築で綺麗で清潔そうなマンションで、その漫画家先生も修羅場の割には 穏やかだし、先輩のアシスタントも気さくで良い人たちで、とても気持ち良く 仕事が出来ました・・・2日目の夜までは。 2日目の夜、皆で眠い目と脳を熱い日本茶で覚ましつつ少し休憩していた 時のことです。誰かがその部屋に元からついているという有線をつけ、 ちょっと懐かしめの歌が聞こえるチャンネルに合わせました。 皆疲れているので無言でそれを聞いていました。すると音が大きくなったり 雑音混じりに小さくなったり・・・。「かえって気
じわ怖

遠距離恋愛

これはちょうど今ごろの話です。 K子さんは彼氏と遠恋している大学生でした。 遠恋といえど二人は地元は同じで、長期休みには地元でいっしょに過ごすことができました。 大学4年生の時の夏休み、彼女は7月の下旬から休みでしたが、彼は8月からでした。 先に地元に帰った彼女は、毎日のように電話をして、 『早く会いたいよー』 と甘え、彼氏も 『休みになったらすぐに帰るよ』 と答えていました。しかし、8月を目前にひかえたある日。突然彼が、 『ごめん、帰るのちょっと遅くなりそうだよ』 と言
ほん怖

ネットの親友

ちなみに、マジ体験 結構前に「染んだHPの管理人からメールが来た」とかいう噂があったけど、それに似てるかな・・・ ネット上だけの知り合いだけど、すっごい仲が良くて、親友って呼べる奴がいたのね んで、テレホの時間中バカ話したり、マジで悩んでる時なんかは相談に乗りあったり そんな時、そいつが全然Qにも上がらなくなって、メールを出しても返事は来ない、いつも来てるチャットにも来ない、って状態になったわけ で、音信不通になって一ヶ月くらいして、いつものようにネットに繋いだら、Qにメッセージが一言だけ「ありがとう」って入ってたの それでもこっちからは全然連絡取れなくて、「こりゃいくらなんでも変だ」って思ったんで、 夏休みには実際会おう、って話してて住所は聞いてたから、連休を利用してそいつの家まで行ってみたの(同じ九州でそんなに遠くなかったからね) なんかありがちだけど、この先の展開は「○○はこの間事故で死にました」と そいつの親から聞いたんだけど、そいつ、ネット上では明るくて友達も多いぜ~、とか言ってたけど、実際はいわゆるヒッキーで登校拒否だったらしい で、「せめてもうちょっと明るくなれば」ってことでパソコンを買ってやって、そして俺と知り合ったんだけど 「今までずっと暗かったけど、あなた(俺ね)と知り合ってから少しずつ元気になってきて・・・」って泣きながら言われて 今まで閉じこもってたのに出歩きはじめたのも、「夏休みには○○(俺ね)と会うんだから、家に閉じこもってばかりはいられない」とか言って外にも出始めたらしい Qのメッセージの事を言ったんだけど、話を聞いてると、結局その母親がメッセージを送ってた、ってことがわかったんだけど(笑 でも、この時は幼稚園以来のマジ泣きだったな~
ほん怖

ベランダの男

ともだちが経験した話です。 彼はほとんどまったくといって良い程霊感がないらしいのですが、 大学へ入って一人暮らしをしてからいきなり金縛りを頻繁にするようになったそうです。 それだけでなく間違い電話が異常に多い。おばあさんの声で留守電が何回も入っていたり、 ある時には「親父が死にました」という間違い留守電が入っていたりして焦ったそうです。 ある日、ベッドでうとうとしてた時、ベランダを誰かが走るのを見たともだちは、 とっさに「おい、コラ!!」と叫びました。 するとその声にむかついたのか男がベランダから部屋に入ってきました。 最初そいつ一人だと思って強気でいたのですが、ベランダに居たのは一人ではなかったのです。 どんどん入ってきて最終的に五、六人にベッドの周りを囲まれました。 そして彼は、恐くて動けないのか体が動かなくなりました。 動かない体で彼は「ごめんなさいごめんなさい」とくり返しました。 するとそいつらは部屋を出ていったそうです。 彼は恐る恐るベランダに出てみました。 彼の家は五階なのですが、隣のベランダとの境には非常時脱出用の壁があるので それを破らない限りベランダ間の行き来は不可能なのです。 そしてその壁は破れてはいませんでした。 彼は「ああ、夢だったんだな」と納得しました。 そしてその夢を忘れかけていた頃、彼のともだちとその部屋で飲み会をしました。 ほろ酔いぐらいだったそうです。 突然彼のともだちが「おい、てめえ!」と叫んでベランダに出ようとしました。 彼は「どうしたの?」と聞きました。 彼のともだちがいうには、今男達がベランダを走っていきやがった、ということでした。 その時彼は思い出しました。 同じような体験をしたことを。 そして、その話は夢だと思って誰にも話していなかったことを。