中学の時、化学教師(女性)に聞いた話です。ていうかこれ、幽霊話じゃないと思うけど。
その女教師が学生時代、夏休みにキャンプに行く事になりました。
テントをはる場所から一番近くにあるトイレはめちゃくちゃ薄暗くて汚く、個室が二つあるだけ。
女教師はあんまり入りたくないな、と思ったそうです。
そのうちに夜が更け、お決まりのキャンプファイヤーが始まりました。
キャンプファイヤーで盛り上がっている最中、不覚にも女教師はトイレに行きたくなりました。
しかし自分一人であの薄暗くて汚いトイレに行くのは冗談じゃないので、友達についてきて
もらう事にしたそうです。
女教師と友達は足早にトイレに向かいました。昼間でも薄暗いトイレは夜に見るともう真っ暗。
女教師は、「早く用を足してここから逃げたい」と思ったそうです。
ソッコーでトイレの豆電球をつけ、友達に外で待っててもらって中に入りました。
そして入り口から一番近い個室のドアを開けようとした時です。
なんと、戸が開かないのです。押しても引いても。
(あれ?何で?)と女教師は疑問に思いましたが、すぐにある事に気がつきました。
トイレのドアの隙間をよく見ると、豆電球の薄明かりに紛れて人影が見えるのです。
そしてその人影がドアを引っ張っているのです。開けさせまいとするかの様に。
女教師は、(ああ、ここには誰か人が入ってたんだ。じゃあ奥のトイレに入ろう)
と思い直し、急いで奥のトイレに向かいました。
しかしその時、ふと気づいたのです。
(ちょっと待って・・・?)
(私が入ってくるまで、このトイレは電気がついてなくて真っ暗だったはず。
この人はどうして、電気もつけずにトイレに入ってるんだろう・・・?)
女教師は次の瞬間、背筋がゾーーッとしたそうです。
こんな夜中に、こんな真っ暗なトイレで、この人は何をしているのか。
彼女はもはやトイレなどどうでも良くなり、外に飛び出して友達をせきたて、
慌ててそこから逃げ出しました。
私が女教師から聞いた話です。
幽霊じゃないとは思うけど、作り話であるとも思えません。
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